追悼川内康範先生

 
 
康範先生の思い出

小林社長

 先生とは、私が結婚のご挨拶に伺ったのが初対面です。

 私がアメリカ留学から帰国してすぐ、結婚式を挙げることになりました。昔から父(小林利雄)がお仕事で懇意にしていた関係で、先生に祝辞を述べていただくことになったんです。それで、ご挨拶に伺ったのが先生とのお付き合いの最初でした。『月光仮面』の放送中にはお会いしたことはなかったんです。

 その後、『月光仮面』がアニメ化(『正義を愛する者 月光仮面』[72年])され、当社が版権の窓口をやることになり、私がその担当になりました。当時、先生の事務所はホテルニュージャパンにあったので、報告がてら足繁く通っておりました。先生は結構厳しいことをおっしゃるんですが、元来義理人情に厚い方なので、筋さえ通せば大抵のことはご理解いただけましたね。

 すごく印象的だったのは、去年、うちの父が亡くなった際、葬儀が終わってみなさんお帰りになった後で、ふらりとおひとりでいらしたんです。みんなびっくりしましたね。そして、祭壇の前に立って、「おい、お前! なんで早く逝ったんだ!? 俺ももうちょっとしたらそっちに行くから……待ってろ!」というようなことを、涙ながらにおっしゃって。それでパッとお帰りになったんです。それが大変印象に残っています。

 うちの父と一緒に、『月光仮面』という本当に素晴らしい作品を作っていただいて……『月光仮面』という作品は永久にテレビの歴史に残ると思うんです。

 そういう意味でも、本当に良い作品を我々に残していただいて感謝しております。

 

平成二十年 四月
                    宣弘企画
代表取締役社長
小林 隆吉