電機メーカー・東芝のマスコットキャラクターとして誕生した「エスパー」を、実写化したSFドラマ。
ギロン星人に故郷の星を滅ぼされ、地球に逃げのびた正義の宇宙人・エスパー星人。二人のエスパー星人は、地球に降りる際、親子連れの乗った気球と激突、東ヒカル少年は無事だったが、その両親を死なせてしまう。エスパー星人は、ヒカルの両親の姿を借りて地球人として生きることを決意。おりしも、悪のギロン星人が狙った次の標的は地球だった。エスパー星人は息子ヒカルを、強化服を着たヒーロー・光速エスパーとし、地球の危機を救う使命を与える。
ミクロ化など7つの能力を駆使できるエスパーの強化服は、光波エネルギー研究所の朝川博士が開発したものだが、完成に至る重要な着想を無意識下で与えたのは、エスパー星人であり、博士自身はそのことを知らない。ヒカルは朝川博士に選ばれてエスパーになったことになっており、自身がエスパーであることを両親には隠している。すべてを知っているのはエスパー星人の両親のみという、非常に凝った設定になっている。
怪獣ブームのさなかにありながら、本作には、いかにも怪獣らしい怪獣は登場せず、地球に危機をもたらす怪現象や事件から人類を守るというのがエスパーの目的であり、戦いを主眼としていない珍しいヒーロー作品と言える。四次元から突然現れる怪物、原子炉で増殖するカビなど、SF的な発想と未来志向が随所に生かされた作品である。
|