徳川十一代将軍・家斉の腹違いの兄弟である松平信千代が、秋草新太郎と名を変え、公儀隠密としての命を受けて、世を乱す忍者集団などと戦っていく。
新太郎は、刀とともに6連発の拳銃を武器とし、北海道を舞台とした第1部は、和製西部劇を思わせる作品となっている。しかし当初は視聴率が振るわず、忍者との戦いをメインとした第2部になって人気に火がついた。第3部では、新太郎の片腕として、伊賀忍者・霧の遁兵衛が登場。敵忍者との見ごたえある忍術合戦が、爆発的ヒットを呼んだ。新太郎と遁兵衛のコンビによるアクションという、従来の時代劇とは少し異なる立ち回りも、子どもたちだけでなく大人をも夢中にさせた魅力の一因といえる。本作は当時の忍者ブームの火付け役となっただけでなく、刀を逆手に構えるポーズなど、現在の忍者のイメージの多くは、本作に端を発している。
主演は、『月光仮面』『豹の眼』の大瀬康一。霧の遁兵衛役の牧冬吉は、その後『仮面の忍者赤影』において白影役で活躍、忍者のイメージが定着した俳優となった。本作は、海外でも放映されて人気を博したが、特にオーストラリアでの人気は絶大で、現地での日本人に対する印象を一変させたという。主演の大瀬がオーストラリアを訪れた際には、6000人のファンが空港に集まった。
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